問題解決

医者も受付の態度が悪いのに流行るのはなぜ?病院の仕組みを教えます!

病気を患い病院に受診にいったとき、

医者や受付のスタッフの態度が悪くて、
不快な思いをしたことってありませんか?

 

実は私の周りに聞いてみると、
ほとんどの方が一度(以上)は
経験あるとの回答があり

 

しかも

辛くて病院行ったのに、
なんで嫌な思いをしないといけないの?

と思い出しただけで

結構なお怒りモードになる始末・・・(;゚ロ゚)

 

・少し診察しただけで詳細な説明も
ないまま薬だけ出されて終了

・診察時に一方的で
質問できる雰囲気でもない

・物言いが無遠慮だったり、
他の人にまで聞こえるような
大きな声でしゃべったりと配慮がない

・実施する検査や飲む薬への
説明が少ない

・パソコンばっかりを見て
目を見て話しをしてくれない

・受付の対応が素っ気なく事務的

・上から目線で対応される

・相談をしても
「できません/無理です」など
否定的な回答だけで、代案などの提案もない

など

皆さんも体験があるのではないでしょうか?

 

そして不思議なことに、
そうした病院でも患者さんが沢山いて
混んでいたりすることもあり

「なんでこの病院が??」と
疑問に感じたこともあるかもしれません。

 

そこで、今回は医療機関あるあるの1つ

医者や受付の態度が悪い病院でも
なぜか患者さんがいる事象

について

 

・病院の事務職として
10年以上務めていた筆者の経験

・病院や医療の仕組み/特徴

も交えて説明したいと思います!

 

こちらを読めば

なるほど!確かにそうだ!

となり、スッキリすること間違いなし!

 

また最後に、病院選びのコツも少し案内しています

 

悲しいことですが、年を重ねるごとに

病院へ行く機会も増えていくことが多いので

今後の参考としてもぜひ最後まで一読をしてみてください!

○なぜ医者や病院の受付は態度が悪い人が多いの??

本来、サービス業であるはずの医療サービス。

なぜ接遇が良くないスタッフが
一定数いるのでしょう??

 

通院する側からすると、

〝今日の受付はあの人じゃないといいなぁ〟

また小言言われるかもしれないけど
通院日だからしょうがなく行くか・・

など、気が重いまま通院するのも嫌ですよね・・・

 

ただ最初に言っておくと、

もちろんどの医療機関でも
必ず接遇やマナーなど社内教育はしているんです!!!

 

じゃあ接遇が良くない人は
その人の性格とかが問題なの??

 

そのケースも時折あるのですが、
実際はもう少し複雑です。

医師、受付(事務スタッフ)の順番に
その要因をご紹介していきたいと思います。

 

※医師について

○サービス業に適性のない医者の存在

医学部への入学、医師の国家資格の取得、
など難関を突破して
初めてスタートする医者の道。

そうした難関をクリアする人達の中には、

実は自閉スペクトラム症などの発達障害を
もつ高学歴の人もいると言われています。

 

こうした障害がある人は、

・相手の気持ちや意図を想像したり、
その場の空気やしきたりなどの
暗黙的なルールや社会的ルールを
理解するのが苦手

・その場の雰囲気に沿わない
率直すぎる発言をしてしまう

・難解な言い回しを使う

など

対人関係やコミュニケーションの場面で
問題が生じやすいのが特徴です。

 

医師の何割がそうした発達障害であるのか
を調べたデータはないのですが、

体感でいうと

全体の5割程度は素因があり、

そのうちの3~4割が

対人関係で失敗したり
コミュニケーション障害等が出ている

という感じではないかと思います。

 

そうしたコミュニケーション障害
が出ている医師が診察していたとすると、

患者さんとトラブルが発生しやすい

言えます。

 

また、こうした発達障害でなくとも、

例えば外科系で手技(オペ技術など)が
かなり特化した先生とかは、
その技術(スキル)で生きていけるので、
誰に対しても上から目線になってしまう
ケースもあります。

 

○医師免許不足

医療業界において
医師と看護師の資格保持者は、
常に求人が出されています。

これは
慢性的にこの2つの資格保持者が
人手不足であることでもあります。

 

特に医師免許は、それがないと
元々医療サービスの提供ができないので、

最優先・最優遇される資格とも言えます。

需要>供給というパワーバランスなので、

もちろん供給する側の価値が上がり、強気になります。

 

需要側、つまり雇う側は

「どうにか医師に来て欲しい」

「長期的にいて欲しい」

というあまり

待遇面や労働環境としても
医師にとってやりやすい環境を設定することもあります。

 

そうした環境の中では、
人はどうしても緊張が緩んだり、

ちょっと
我が儘になってしまうことも出てくるでしょう。

そうしたことがサービスの場面でも
出てくるのかもしれません。

 

○売り上げに伴う運営体制

病院も一般企業と同様、

経営を持続させるには
売り上げや利益をしっかりと
出していかないといけないのが実態です。

 

そして売り上げを上げるには、

サービスを受ける
「数量を増やす」「単価を上げる」

のどちらかになります。

ただし

診察をするという診察料
処置をするという処置料 など

各医療行為
(=一般企業でいう販売商品/サービス料金)
については、

国が診療報酬により
値段を統一的に決定している
ので、

病院側でそれらの単価設定を変更することは基本的にできません
※自由診療の例外を除く

 

 

つまり、

「数量を増やす」=

「診察の回転率をあげ診察数を増やしたり、
 新規の患者さんを積極的に受け入れる」

 

となりやすいのです。

 

回転率があがれば、
患者一人あたりに割ける時間は
少なくなります。

※ちなみに診療報酬では
1回3分の診察でも20分の診察でも
同じ値段設定なので、なるべく
診察時間は短くなりやすい

 

経営的にはやむを得ない部分でもあるの
ですが、これが過度になってくると

・医者の負担が増え、
ストレスも溜まり十分な対応ができない

・患者さんも診察時間が短く
聞きたいことも聞けない

など弊害が生じてきます。

なので、病院の医療・運営体制

サービスの質の低下、
引いてはスタッフの態度の悪化

の原因にもなってくると言えます。

 

 

※事務スタッフについて

○サービス業に適性のない事務スタッフの存在

事務のスタッフについても、
医療はサービス業という教育を受けたり
指導も受けています。

 

ただし、

人事考課的な評価としては

「診療報酬の適切な請求」
「収支の適切な管理」

が重要視されやすいのが実態です。

 

なので、求人として採用する基準は

接客業が得意な人より、
コツコツ精度高い作業ができる人が
求められがち
です。

※接遇は最低限(クレームがでない程度)
できればいいし、できる人はなお良し
というイメージ

 

そして、これは人の傾向ですが

●接客が得意
=ポジティブ(加点思考)で外向的な性格。
臨機応変な対応もできる。

●事務作業が得意
=内向的で比較的ネガティブ(減点思考)な性格。
マニュアル・ルールに則って
正確にやるのが得意で臨機応変なのはちょっと苦手。

となっていることが多く、
相反するというか、両方が得意!
という人って多くはないんですよね。

そして、
医療事務を元々希望する方って
控えめで真面目、ちょっと内向的な方が

多く、業界的にそうした方が
集まりやすいんです。

たまに強気の猛者みたいな人もいますが・・・( ・∀・)

 

ちなみに実際に私が過去いた病院も、
電話対応や受付対応は得意ではないという
事務スタッフは多かったのを思い出します・・・。

 

診療上の運営としては、

電話対応・受付対応などの接客業
→ 接客が得意な方を配置したい

というのは本音ではあるのですが、

 

業務の多くを占める精度重視の事務作業を
担っていくためには、どうしても
そちらに適性がある人を優先的に採用しがち。

 

また、接客得意者を採用し
勤務条件に合わせて専属的・継続的に
配置するというのも運営上難しい部分
もあり、

結局、事務作業が得意な人が、
接客業務である受付や電話対応も
することになりがちです。

 

じゃあどうなるのか??

 

事務作業が得意な人は

・マニュアル通りの対応が得意
・臨機応変な対応は苦手

なので、決まった通りに対応して

マニュアルにないものは

「できません/対応できかねる」

という対応になってしまいます。

 

またイレギュラーに強くないので

「○○ってどうなってます?」
「△△を確認してほしいんだけど?」

と多様な質問・相談を受けていくと、
焦ってパニックになりやすい上、

場合によっては相手の行動を攻撃と見なし、
防衛反応として反撃にでちゃうこともあります

 

これは

その人のマナーや態度が悪いというより

苦手なことをやっている結果の反応として
現れているものなので、
その人の責任とも言い切れない部分です。

けど、こうした配置がある限りは
接客のサービス面は向上せず・・・

かつ、そのしわ寄せは
患者さんに来てしまうわけですが・・・

○ストレスのかかる職場

病院の人員数や配置人数って
どういった基準で考えているのでしょう??

一般企業だと

「この業務をするには○人必要だ!」
「こうしたスキルを持つ人が必要だ!」

と業務量や業務の質に対して、
必要な人員を割り出すと思います。

けど医療業界では
それよりも優先される基準があるんです!

それは診療報酬で定める人員配置基準です。

 

実は病院って

・入院患者○人に対して看護師が○人
いたら入院料は△円で請求できる

・○○という医療行為をするには
看護師が□人、作業療法士が△人いること

など、

資格を持つ人が何人配置されているか
という配置基準に対し

・その医療行為が提供できるかどうか
・提供した医療行為の値段

が決まっていることがあります。

※他にも様々なルールもあります。

 

 

例えば

・看護師3人以上いれば提供できる
医療行為があり、実施したら1人
2000円請求できる

という医療行為があった場合

自分が経営する側だったとすると
このサービス提供に看護師を5人配置
したりするでしょうか??

人件費のことを考えると、
経営的には最低人数の3人でやりたい
というのが本音でしょう。

 

5人配置しても2000円/人しか
請求できません(単価は変えれない)

だったらそのサービスを提供するのに
かかる経費(人件費)は抑えたい
というのは当然の考えです。

 

つまり、医療現場って、

配置基準に基づく人員配置をベースとし、
業務量や業務の質的にそれでは足りない
場合に限り、人員補充をするのが運営の通例になっています。

 

 

国が最低限その人数でいいって
決めてるわけですから
それでやれるってことだよね?

と、ある意味開き直れてしまうのですよ・・・

もちろん、それ以上の配置をし
サービスの質の向上を図る病院さんも
あるとは思いますが、それはあくまで少数派です。

 

では事務スタッフの人員配置基準は
どうなっていると思いますか?

 

実は事務って配置基準がないんです( ・∀・)

つまり、極論0人でもいい存在・・・

というとちょっと言い過ぎですが、
診療報酬(=医療行為の価格決定のルール)には

ほぼ関わらない職種なんです。

※事務系資格が売り上げに関わるのは極々一部です

 

ということは、

事務スタッフは配置基準を元にして
○人必要と設定ができないので、

 

なおさら最低限の配置にされやすく
事務スタッフを増やそうとすると
「なんで必要なの?」と根拠をつめられることこの上なし!

 

なので最低限の配置になりやすく、
業務過多になりやすい傾向
があります。

 

また、

売り上げを上げれる職種じゃない

という観点から、
待遇がどうしても良くならないのが現実です。

 

本当は、

・診療報酬の請求業務を精度高く行う
ことで病院へお金が適切に入るようにしている

・医師や看護師、その他スタッフと
患者さんの情報連携が必要なので、
その狭間で調整役をしている

・書類作成等の医師の補助業務を行っている

など、評価できることも沢山あるのですが・・・

 

また、今の時代IT化・機械化も進んでいるので、

受付って機械化してもいいのでは?

このシステム導入したら
事務のスタッフってもっと削れるよね?

と仕事を機械に奪われやすい職種でもあります。

 

スキルを高めて機械より費用対効果を
出せないと自分の仕事も失うかもしれない

そうしたプレッシャーもある職種です。

 

以上のように

・業務過多になりやすい

・待遇が良くなりにくい

・プレッシャーがある

 

とストレスが溜まりやすい環境、
状況になることもあり、
それが患者さんに出てしまうこともあります。

 

このように、医師・事務スタッフともに
複数の原因が絡み合って、
態度・接遇の悪さに繋がっている可能性があるのです。

もちろん、そうした状況であっても
医療サービスを提供するなら
サービス業のプロとしてちゃんとやるべき!

患者さんにしわ寄せが行くのはおかしい!

そうした声には耳が痛いですし
当然のことだと思います。

 

ただ

その原因には少なからず運営体制や
使用者責任も関わっている可能性があるので

適切に病院に意見を伝え改善を促すことが大事
ではないでしょうか?

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