仕事・職業

医療事務の資格はあった方がいい?役に立たない資格もあるって本当?

高齢化社会が進み、
コロナ禍となった現在では
特に健康や医療のニーズも高まってきています。

 

また、そうした需要に加え
医療や介護に携わる業界は
景気等にも左右されにくいため、

就労する上でも安定性が高い業界

とも言われています。

 

なので

ホスピタリティがあり医療に携わりたい

と思っている方はもちろん、

安定志向の方の希望就職先の候補になる傾向にあります。

 

私の体験談ではありますが、

とある医療機関で人事担当をしたとき

求人広告を出したら

 

  • 採用の面接を受けたい
  • 具体的な業務内容や求人の条件を確認したい
  • 病院見学もできたりしますか?

など

問い合わせを沢山頂いていたのを思い出します。

 

では、医療機関に就職するため、

また仕事を続けていくためにも

有利な資格や役立つ資格ってあるのでしょうか??

 

今回は特に事務職に焦点を当て、

医療機関で
・事務職として10年以上勤務し
・人事の経験もある
筆者がその疑問を解消したいと思います!!

正社員としてしっかり医療事務で働きたい!
非常勤としてなるべく長く勤めたい!

など

医療機関に医療事務として就職したい

と思っている方は必見です!

 

ちなみに、最後に

面接時のアピールのコツもご紹介しているので、

ぜひ最後まで読んでみてください!

○医療事務の資格って必要??

某大手通信講座の資格講座を見ると
医療事務は1位のようで、

未だ人気があるようです。

ただ結論から言うと医療事務の仕事は、

医療事務の資格が無くても十分にできます!

 

逆に厳しい言葉でいうと

取る必要はありませんし、

資格を持っていても
求職時や待遇面でほとんど有利にはなりません

 

基礎知識はあるんだろうなと思う程度で、

知識がある=採用や待遇に有利になる

とは限らないのです。

 

こう言うと

せっかく頑張って資格とったのに
本当にそうなの?

資格講座とるときに取ると有利って
言われたよ?

なんて夢がないことを言うんだ!

と思われるかもしれませんが・・・(;゚ロ゚)

 

もちろん、
資格をとるために勉強した努力は
素晴らしいことですし、
過程で得た知識は活かせることもあります。

 

けど悲しい現実ではありますが

資格があっても有利にはならない

というのが実態です。

○医療事務の資格が有利にならない理由

資格を持っていてもなんで有利にならないの?

と感じるかもしれませんが、
その理由は大きく2つあります。

①医療事務の実務は医療機関ごとに十人十色

医療機関内の事務の仕事ですが、
実は想像するより複雑なんです。

典型的な
【the 医療事務】の仕事って

  • 受付業務
  • PCへの入力作業
  • 保険請求業務(レセプト業務)
  • 会計業務
  • 電話対応
  • クラーク業務

の6つと言えます。

ただ

・病院なのかクリニックなのか

・何科の診療をしているのか

・外来/入院/在宅 どの医療サービスをしているのか

・どの医療システム/レセプトコンピューターを使っているのか

など

医療機関の診療や運営の体制により

医療事務として求められる知識、
実務の処理方法は大きく異なります。

 

また医療機関の運営には、
医師・看護師など多職種が関わりますが、

職種ごとの職域の設定の仕方も
医療機関ごとに異なります。

※独占業務/非独占業務について
など、詳細説明すると長くなるので
割愛しますが、医療機関ごとに
業務範囲が違うことがあるんだなと
感じていただければ大丈夫です!!!

 

一般企業のイメージで例えると

一般事務の作業のみ行う企業もあれば、

そこに+αで総務や庶務の仕事も行ったり

人事の仕事も行ったりする企業がある

という感じでしょうか。

 

なので、医療事務の業務内容は、

・医療機関ごとに十人十色

・実務として活きる知識は医療機関ごとに異なる

のです。

 

それに対して

医療事務の資格はあくまで、

保険や公費の制度、保険請求業務の概要など

基礎知識を覚えるもの です

 

それら知識も医療機関の科ごとに
カスタマイズすることも多くあるため

働く医療機関ごとに
仕事をしながら学ぶ部分が非常に大きく
即戦力/即実務には結びつかないのです

 

結果、有利にならないというのが実態です。

②診療報酬における配置基準に事務系の資格はない

待遇面でも資格を持っていたら
有利にはならないの?

と思う方もいると思います。

 

基本、どの求人でも共通していることとして

待遇が良い=

・経験や知識を即時活かして実務ができる

・他の人にはないスキルを持っていたり求める役割ができる

・売り上げに貢献ができる

など

会社にとってもメリットがある人が
条件になっています。

では医療事務の資格を持っていると
果たしてそうでしょうか?

 

・経験や知識を即時活かせる

→基礎知識のみでは残念ながらこれは無理です。

 

・他の人ではないスキルを持っていたり求める役割ができる

→これはその人の特性に関わるもので
資格とは関係がありません。

 

・売り上げに貢献できる(売り上げupにつながる)

→医療事務の資格を持っていることで
売り上げが上がるものはありません。

また、医療事務の資格で得られる知識で
売り上げ貢献に直結するものはありません。

 

以上からも

医療事務の資格が就職や待遇に有利に働くものではないのです。

 

また、医療事務に関わる資格として

 

・診療報酬請求事務能力認定試験

・医療事務管理士

・医療事務実務能力認定試験

・医療事務技能審査試験

 

という資格や認定試験がありますが、
残念ながらこれらを取得したとしても
就職や待遇に有利になったり、
大きく役立つことはありません・・・

○有利に働くものとは??

ではどういったものが
就職や待遇が有利になったり、

医療事務として役立つスキルに
つながるのでしょうか?

そもそも業務の性質上、医療事務には

正確性 × スピード
= 精度の高い生産性

が求められます。

 

事務のミスは
お金に関わることだけでなく、
時に患者さんの命につながること
もあります。

なので正確性はマストです!

ただ正確性も大事ですが、
処理するスピードがないと

患者さんをお待たせしたり、
焦りから雑な作業になったりと、
サービスの品質に影響がでることもあります。

 

そのため、正確性とスピード
この2点はまずは必須だと思ってください。

 

そしてこれら2点は

もう少しかみ砕くと

・一つのことを集中してできる

・反復することを飽きずにできる

・マニュアル(規定)通りに行える

・メモをする/確認作業を徹底するなど慎重さを備えている

 

こうした表現にも置き換えできます。

 

なので、上記に関して

自身の性格や持っているスキル、

就労経験など具体的なエピソードを用いて

表現をすることで、

 

就職する上で前向きな評価になったり、

スキルとして磨くことで

良い評価をもらえることにつながる可能性がります。

 

例えばですが・・・

面接の時に

・5年以上続けている習い事がある

・1日何時間でもできる趣味がある

・人が話すときはメモをとる癖がついている

・相手の言葉の意味は反復して確認をとる

・スケジュール帳を持ち歩いている

・普段からマニュアルを確認する

・家も整理整頓されている

・わからないことはすぐ確認する

・キーボードはブラインドタッチができる

・物事は後回しにせずすぐに行う

 

こうしたことを表すようなエピソード、

行動で表現すると良い印象を与えると思います。

※あくまで例ですので
就職や待遇を保障するわけではない点
ご留意ください。

 

また、
過去医療事務で就労経験がある人は
客観的な数値を用いて経験値を表現
するようしましょう。

 

例えば

・入院、外来、在宅、どのレセプトの
経験があるのか

・自分一人に換算したとき、
何件のレセプトを処理していたのか

・レセプトの精度は高かったのか
※返戻や査定がなかったかどうか

・レセコンへの入力作業は
1日何件程度処理していたか

・外来は1日何件を何人で対応できていたか

・電話対応や書類処理は1日何件程度を行っていたか

など

過去の経験を数値的に表現することで、
自身の医療事務としてのスキルや
適性を表現することができます。

 

ただし・・・

この精度の高い生産性というスキルは
誰しもが鍛えていくものなので

競争も激化しますし、
その分差別化が図りづらく
自分が独自で持つスキルとするには、
アピールが弱くなりがちです。

 

また、これらスキルを用いて行う
作業については、残念ながら

機械(医療システム)に
代替えできるもの

がほとんどです。

 

そのため、これに+して

自分の付加価値をどう作るか

もこれからの時代は考えていかないといけません。

 

そこで、医療機関としても

不足しやすく需要のある役割やスキル

最後にご紹介を致します。

・診療報酬に伴う作業の仕組みや
ルール作りができる

・適切なマニュアルの作成ができる

・社内スタッフの面倒見が良く
特性に合わせた教育・指導ができる

・リスクマネジメントができる

・収支管理ができる

・機械やシステムに強い

・ポジティブ思考で何事にもチャレンジできる

など

一般企業でも共通する部分ですが、

・他人の管理をしたり教えることができる人

・ルールなど枠組みを作れる人

・新しいことを始めれる人

 

は医療の現場では特に不足しやすい部分です。

 

なので、

医療事務でもこうした役割ができる人、
スキルがある人は今後も重宝されることでしょう!

○まとめ

医療事務は正直、
決して待遇が良いとは言えません。

・患者さんから求められるもの
・会社から求められるもの
・スタッフから求められるもの

それぞれの中で葛藤し、
また業務量も多かったりと辛い部分もあります。

ただ、医療機関が正常に稼働し
良いサービスを提供していくためにも
とても大切な職種であると私は思っています!

 

医療事務が今後活躍していくためにも、

必要な役割を担うこと
スキルを磨くこと

がとても大切だと思うので、
ぜひ参考にしてみてください!

 

最後に・・・

事務に限らず、
今は特にコロナ禍で本当に本当に
大変な時期だと思います。

医療を支える皆様も体調崩さぬよう
お祈り申し上げるとともに、
逼迫する医療を支えていただいることに
心より感謝申し上げます。

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