お酒を飲んだ翌朝は顔が腫れてる・・
夕方になると靴下の跡がつくほど
足がパンパン・・・
そんな経験は、ありませんか??
そのむくみには色々なサインがあり、
なかには
危険な病気が隠されていることも。 危険な病気が
むくみの原因を知り、
正しい処置・解消法を実践していきましょう。
13年の看護師経験をもつ
筆者がお伝えしていきますね!
むくみって何?むくみの原因は?
むくみとは?
人間の体は、
約60%は水分でできています。
体内の水分のうち、
半分以上は「細胞内液」といい
細胞の中に含まれる水分です。
残りは血液に含まれる水分となります。
血液中の水分が、
何らかの原因によって
血管の外に異常にはみ出してしまい、
皮膚や皮膚の下に水分がたまった状態を、
「むくみ」と言います。
専門的な言葉では、
「浮腫(ふしゅ)」と呼びます。
むくみの原因は?
人間の体は、
心臓から血液を使い、動脈を通って
全身に酸素と栄養を送ってくれています。
届けると同時に今度は、
細胞から出された二酸化炭素や老廃物を血液を使って、
静脈を通って心臓に戻します。
この流れからすると、
心臓から1番遠いのは足です。
では、足のむくみの原因から
みていきましょう!
【足(下肢)のむくみ】
足は重力にさからって、
心臓に血液を戻さなければいけません。
そこで血液を心臓に戻すために
ポンプとして働いてくれているのが、
「ふくらはぎ」の筋肉なんです。
夕方になると足がパンパンになるのは、
ふくらはぎの筋肉を動かさなかったために、
血流が低下してしまったからなんです。
デスクワークが多い方によく見られますね。
【顔・体のむくみ】
「顔がむくみやすいときは?」の質問で、
1番回答が多いのは
「お酒を飲んだ翌朝!」ではないでしょうか。
血液中のアルコール濃度が高くなると、
血管がいつも以上に拡がってしまい
血管から外に水分が漏れてしますのが原因です。
また、お酒を飲む時は
塩分が多い味が濃い食事や
おつまみを食べてしまいがちですよね。
塩分の取り過ぎも、体のむくみと深く関係しています。
私たち人間の体内は、
塩分濃度を一定に保とうと機能してくれています。
塩分を取り過ぎると、
体内では、塩分濃度を薄めようと
水分をため込もうと働くため
むくんでしまう原因となってしまうのです。
【女性に多いむくみ】
女性の場合、
月経周期によるホルモンバランスが
原因でむくむことがあります。
黄体ホルモンと呼ばれるホルモンが、
生理前になると多くなり余分な水分を体に
ため込んでしまうのが原因です。
妊娠中にも足のむくみを感じやすくなります。
また、女性は男性よりも筋肉が少なく、
心臓に血液を戻す働きが弱いため、
女性のほうがむくみを感じることが多く、
体温調整不足から足先の冷えにもつながります。
その他にも、
- 運動不足
- 過度なダイエット
- ビタミンやミネラルやタンパク質の不足
- 水分の取り過ぎ
など様々な理由でむくみが起こります。
危険なむくみ? 病気の症状は?
そのむくみ病気のサインかも?!
むくみは病気のサインとして起こることがあります。
こんな症状が出た場合は、
できるだけ早めに病院へ受診しましょう。
病院によっては、
「浮腫(ふしゅ)の専門外来」があります。
病気の症状とは?
むくみがひどい時は、
- 心臓
- 肝臓
- 腎臓
- リンパ
などの病気が疑われます。
【心臓】
血液がうまく流れなくなってしまいます。
うまく流れないことで、
体内に血流が悪くなりむくみとなります。
これが ”心不全” と呼ばれる状態です。
【肝臓】
肝臓は病気になっていても、
なかなか症状として出てきてくれません。
すでにかなり進行している状態です。
肝臓全体が硬くなる ”肝硬変”
肝臓が硬くなることで、
アルブミンタンパク質を作ることができなくなり、
血液中のアルブミンが低下してしまいます。
アルブミンが低下すると血管内での
水分調整が出来なくなり、
腹部や足にむくみが現れます。
【腎臓】
血液をろ過して体に不必要な老廃物や、
余分な塩分を尿として
体外へ出す役割をしてくれているのが腎臓です。
尿が出なくなるため、むくみとなります。
”腎機能低下”
”腎蔵病”
”腎不全”
と呼ばれています。
【リンパ】
血管と同じように
全身にあるリンパ管を流れるリンパ液が、
何らかの原因により流れが悪くなってしまう
いわゆる ”リンパ浮腫” と呼ばれるものです。
がんの手術後です。
リンパ節を切除することが
多いためリンパ液の流れが悪くなり、
むくみとなって現れるようです。
もちろん、がんの手術だけが原因ではありませんが、
リンパ浮腫は自然に治らないです。
熱をもったり、
痛んだりすることがあるので、
すぐに血管外科を受診しましょう。
他にも、ふくらはぎの血管が膨らみ、
ボコボコと静脈がコブのように出てくる
”下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)”
長時間バスや飛行機、
車に乗り同じ姿勢をとり続けることで
足に血栓が出てむくむ
”深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)”
いわゆる”エコノミークラス症候群”などもあります。
むくみの処置方法
体・足の場合
1、マッサージやストレッチをする
ふくらはぎにたまっている
余分な水分や血液を心臓に戻すため、
「足先からももへ」と
心臓から遠い部分から近い部分へ流していきましょう。
また、揉むのではなく流すことを意識して、
なでるようにしていきます。
膝の曲げ伸ばしをしたり、
足首を回したり
筋肉と関節を動かすようにしましょう。
2、シャワーではなく湯船につかる
しっかりと温まることで血流がよくなり、
冷えや体温調節の改善にもつながりますよ。
滞った水分や血液の流れがよくなるので、
湯船でマッサージするのもおすすめです。
3、水分や塩分の取り過ぎ注意
むくみの成分ともいえる
水分や塩分(ナトリウム)をためないためにも
食事には気をつけましょう。
外食が多い、コンビニ食が多いとやはり
塩分量は増えてしまいます。
塩分の排出を助けてくれるカリウム、
血流をよくする働きがあるビタミンEも
適度な量で
取り入れてみてはいかがですか?
カリウムが多い食品:バナナ、りんご、キウイ、里芋、納豆、アボカドなど
ビタミンEが多い食品:卵、いわし、ほうれん草、かぼちゃ、アーモンドなど
4、十分な睡眠をとる
横になることで、
足にたまった余計な水分は移
動して循環する血液量も多くなります。
寝るときは、
足の下にバスタオルや座布団などを入れて、
足を高くするのがおすすめです。
血液量が増えると、
腎臓への血液量も増えるため
余計な水分は尿となって
排出されるのでむくみが減ってきます。
顔や手の場合
1、ホットタオルを使用する
顔にのせて温めることで、
顔の血流を流して血行をよくし
むくみを減らします。
自宅にあるタオルをロール状にして、
真ん中部分を50℃ぐらいのお湯につけます。
両端を持って絞れば、やけどの心配はありませんよ。
また、電子レンジを利用するのもおすすめです。
水に濡らして固く絞ったタオルに、
ラップを巻いて1分程度加熱。
かなり熱くなるので気をつけてくださいね。
2、マッサージ
皮膚に負担をかけないように、
顔のマッサージを行う際は
オイルやクリームを使用するようにしましょう。
両手で顔を包み込み、
そのままこめかみ方向へ引き上げます。
こめかみあたりから耳下腺へ流します。
耳下腺(じかせん)とは、
耳の下後ろ方向で
顔の筋肉を動かす神経があります。
手(指)の場合は、
まずどちらか片方の手をデスクやテーブルに置きます。
反対の手の親指で、
マッサージをする手の指の付け根から
爪先までクルクル回して押します。
爪先までいけば、
今度は指の付け根に戻るを
1本ずつ繰り返しましょう。
まとめ
多くの場合は、
あまり心配するむくみではないですが、
危険なむくみがあることもあります。
少しでも「いつもと違う」と感じたときには、
早めに医療機関へ受診するようにしましょう。