目次
① 自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)
・他者へ関心が少なく、
他者との感情を共有することが苦手
・対人的相互関係を築くのが難しい
・相手の表情や声音から心情を汲み取ることが苦手
(空気を読むことが出来ない)
・人とのコミュニケーションが苦手
・一つの興味、事柄に関心が限定されこだわりが強い
※特に文字や図形、物への関心が強い
・自分で定めたルールから
外れることを極端に嫌う傾向にある
・予定外の行動にパニックに
なったり癇癪を起こすことがある
・感覚過敏あるいは鈍麻など
感覚の問題が見られる
人とのコミュニケーションが苦手だったり
団体行動がとれない反面、
関心あることにはトコトン探求する傾向が
あるため、医師、学者、研究者、技術者等
専門職の分野で成功している方も多くいるのも特徴です。
※私も過去医療機関に務めていましたが、
そこの医師の7割、看護師の2割は
自閉症スペクトラムと言える方々で、
身近にいるなぁとすごく感じます。
□ 物の収集癖がある
□ 好きなことだけに集中してしまう
□ 気になることを何度もしつこくくり返す
□ 順番や道順にこだわる
□ 予定が変わったり、行動を妨げられたりするとパニックを起こす
□ 他人と目を合わせられない
□ 相手に合わせて行動することができない
□ 状況を読み取って行動することができない
□ 自己主張が強く、一方的な行動が目立つ
□ 自分がわかっていることは相手に説明しない
□ 表情から気持ちをくみとれない
□ たとえ話を理解するのが難しい
□ 難しい言葉や漢字・英語の表現を好んで使う
□ 代名詞を理解することが難しい
□ 突然の大きな物音が苦手
□ 音、光、においなどがとても気になる
※宮尾益知先生監修『この先どうすればいいの? 18歳からの発達障害』より 抜粋
【
いくつか該当したから自閉症スペクトラムだというものではなく、
あくまで傾向があるかもという程度でお考えくださいね。
② 注意欠陥多動性障害
・一つのことに注意を向け続ける
ことができず、集中力や注意力
に欠ける
・周囲の状況を読み取るのが苦手、
聞きもらしや忘れ物が多い
・時間の管理や見通しを立てることが
苦手で遅刻も見受けられる。
・ものごとを単純に覚える短期記憶が苦手
注意力が欠けやすく、
計画的に物事を進められない、
そわそわとして落ち着かない、
他のことをすぐ考えてしまう、
感情のコントロールが難しいなど、
多動・衝動的な行動をとりやすく、
結果周囲から責を受けがちで、
成功体験がなかなか持てないケースが見られます。
ただ、
好奇心旺盛で次々と周囲のものに関心を持ち、
エネルギッシュに新しいことに取り組む
ことも多く、発想力やアイデアが豊か、
決断が早い傾向にもあります。
そのため、デザイナー、アニメーター、
イラストレーター、カメラマン、起業家
などセンスや発想力が求められている
職業で成功している方もいらっしゃいます。
※(A)まったくない(B)めったにない
(C)時々(D)頻繁(E)非常に頻繁
の5つから近いものを選んでください
①物事を行うにあたって、
難所は乗り越えたのに、
詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、
どのくらいの頻度でありますか?
②計画性を要する作業を行う際に、
作業を順序だてるのが困難だったことが、
どのくらいの頻度でありますか
③約束や、しなければならない用事を
忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか
④じっくりと考える必要のある課題に
取り掛かるのを避けたり、遅らせたりする
ことが、どのくらいの頻度でありますか
⑤長時間座っていなければならない時に、
手足をそわそわと動かしたり、
もぞもぞしたりすることが、
どのくらいの頻度でありますか
⑥まるで何かに駆り立てられるかのように
過度に活動的になったり、
何かせずにいられなくなることが、
どのくらいの頻度でありますか
※成人期のADHDの自己記入式症状チェックリスト(ASRS-v1.1)より一部抜粋
【注意!!】
DやEが多くても注意欠陥多動性障害である
というわけではなく、あくまで傾向を知るためものとお考えください。
③ 学習障害(限局性学習障害)
特定のものだけがうまくできない状態を指し、
それぞれ学業成績や日常生活に困難が生じます。
小学校に入って勉強が始まってから
判明することが多いのですが、
大人になっても困難は続きます。
例えば、
買い物中に値引き額をさっと計算する、
メモを取る、長い文章を書くなどが
苦手なのが特徴です。
知能全般は正常なのですが、
聞く、話す、読む、書く、計算・推論するなどの
特定の学習が極端に困難である場合が多いようです。
・文字を目にしてから意味を頭で理解
するのに時間がかかる読字障害がある
・文字が書けなかったり、
漢字のへんとつくりを
逆に書いたりする書字障害がある
・計算や暗算ができない算数障害 など
□単語まとまりで読解できず、1文字ずつ読んでいく
□途中でどこを読んでいるかわからなくなる
□形や音の似ている文字を間違えてしまう
□体調が安定しない日が多い
□働いても長く続けられないことが多い
以上、簡単にですが、
代表的な3つの発達障害を紹介させていただきました。
もし当てはまっていたらどうすればいいの??
どのようにすれば過ごしやすくなるのでしょう??
①そういう特性のある自分を知る
②受け入れる
③適切な環境に身を置く
こと。
例えば、以下を心がけて頂けると
快適に過ごせるかもしれません。
- わからないことは具体的に指示を仰ぎ、
手順を見せてもらう - 自身の過ごしやすい環境を伝える
- 予定変更があった場合は
すぐに対応するのではなく、
一度時間を置いて落ち着いてから再開する - 興奮したりパニックになった場合は
落ち着ける場所で一旦落ち着くまで過ごす - 自分が見やすいようにまとめる
- 苦手な部分については無理にすべてを行わず、
課題の量・質を加減する
周りができること
周りの人間がこのような意識でいてくれたら
どんなに助かるでしょうか。
安心して、生活し、
持っている特性を発揮することができます。
その為にできることは、
①そういう特性があることを知る
②受け入れる
③可能な限り、適切な環境を作る
具体的な方法
具体的、視覚的でシンプルな伝え方をする
モデルを見せる、体験練習をする
本人が好きな音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う環境を可能な範囲で作ってあげること
予定変更があった時は、前もって予告する、見通しを伝える、せかさないこと
下手に接さず、おさまるまでそっと静観する
文字を大きくしたり行間を空けるなど、本人が読みやすくなるように工夫する
苦手な部分を叱ったり拒否的な態度を取らない、できることをポジティブに評価し柔軟に対応する
おすすめ書籍
発達障害について知る、
心地よく向き合うためのおすすめ書籍を
3冊、紹介します!
1、10万部のベストセラー本
〝みんなできることが僕にはできない・・〟
著者本人が発達障害・グレーゾーンをきっかけに
毎日の生きづらさを
実体験から書かれている実践本。
共感できるポイントが多く、
思わず涙を流す人も・・。
「意志の力ではなく、環境を変える」
「上手に休む」「頑張らない」など
ラクに生きるための実践術が
盛りだくさん!!
2、普通のことができるようになる仕事術
要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑 ¥1540
□仕事に集中できない
□つい先送りしてしまう
□ミスが多い
□詰めが甘い
□段取りができない
□人間関係が憂鬱
それぞれの悩みを具体的な解決策に
導いてくれるこの本。
オールカラーの図解なので
とても分かりやすいのが特徴です。
チェックリストに当てはまったら
ぜひチェックしてみてください。
3、記入シート付き実例集が魅力
新版 大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド ¥1430
発達障害の基礎知識から
評価シートとその具体的な対応例が
知りたい方にぴったり。
また、家族や周囲の人ができる対応法も
書かれてるのが嬉しいところ。
最後に
ここまで発達障害の特徴などを簡単に紹介してきました。
「発達障害」という言葉が、
一般的にも使われているので
ここでもその表現を使用してきましたが、
個人的には「神経発達症」という表現が
適切かなと感じています。
というのは、
障害=不可逆的でもう手遅れ
というイメージがあるからです。
確かにこうした特徴が出る原因は、
脳の機能障害であるといわれていますが、
発達の仕方が独特で定型発達の秩序から
外れているだけなので、
後から適切なプログラムを受けることで
苦手を克服したり強みを伸ばすることもできます。
そのため、神経発達症という「病い」
なんだという表現が適切なんだと思っています。
自分や他者の特徴を知って自覚し学ぶこと
これは皆一様にできることです。
大人になってからでも、どの年齢になっても、
学ぶことは決してマイナスにはなりません。
今こうしたことで悩んでいる方は、
ぜひ更に深く調べて頂き、
適切な対策を講じて頂ければと思います。