将来の夢は?
その職についたら、どんないいことと悪いことがある?
高校の先生になりたい人も、考えてみましょう!
こんにちは、ライターの つみき です。
私の高校生の時の将来の夢は、大学生になることでした。
大学で学びたい分野があったので、それが目標でした。
無事大学に入学し、3年生になる頃に考えること、「就職」。
高校2年生あたりから考える人も、もちろんいますよね。
一度就職しても、転職を考えたりするたびに、「就職」について考えることになります。
今回は、たくさんの職業の中から、「高校教員」を取り上げます。
これから将来を考える人に、今高校教員を目指している人に、
自分の子を高校に通わせている最中だという保護者の方にも、
ぜひ参考にしてもらいたい内容ですので、読んでみてください。
目次
高校教師のいい面
まずは、高校教師の仕事の中で、
これは良い面だな、と思ったことをまとめます。
もちろん、書ききれないくらいたくさんあると思いますが、
私が聞いた内容から抜粋して、お届けします。
自分の得意分野を生かすことが出来る
小学校の先生は、全教科をまんべんなく生徒に教えることが必要ですが、
高校の先生は専門の教科を持っています。
国語、英語、数学など、どの教科もほとんどの先生が、
その教科を専門で受け持っています。
大学で専門的に学んだ、自身の得意分野の中で、存分に力を発揮できます。
苦手なことに挑戦し続けるよりは、得意なことを伸ばしていきたいですよね。
得意分野に集中して仕事ができるのは、高校教師のメリット。
自分の得意なことが、生徒たちの役に立つ。
自分の知識で、生徒のひらめきを作れる、生徒の納得を作れる。
授業をどう進めれば分かりやすいか、身につきやすいか、
それを考えるのも、自分の得意分野だから、苦にはならないようです。
仕事で好きなことについて考えられるのは、いい面ですよね。
一番のやりがい、生徒の成長を感じられる
これは、小学校も中学校も、どの学校でも言えることですが、
生徒一人一人の成長を感じることが出来ることは、一番のやりがいとも言えます。
出来なかったことが出来るようになっている、
解けなかった問題が解けるようになっている、
生徒同士の関係性が良くなっている、協力していく雰囲気が出来ている、など。
生徒の成長を感じられる場面は、とにかくたくさんあります。
生徒が成長できるように、
先生たちは毎日、頭を使って体を使って仕事をしているので、
生徒の成長を実感した瞬間は、その努力が報われる瞬間でもあります。
毎日の日常中にも、報われる瞬間はたくさんありますが、
進級・卒業の時は、特にやりがいを感じるようです。
私の担任も、卒業式のときは涙を流してくれていました。
私の担任は、高校2年から3年を持ってくれていたのですが、
最初はクラスの雰囲気がイマイチで、すごく悩んだみたいで、
体重が7キロも落ちたと言っていました。
その話を卒業式の日に聞いて、生徒たちは口々に謝りました・・・
そんなに苦労して、ツラい思いをしながら私たちに接してくれていたと思うと、
謝らずにはいられませんでした。
卒業の日には、そんな最初の頃の雰囲気が嘘のように、
クラスで団結出来る雰囲気、とてもいい雰囲気に、私たち生徒が成長していたからです。
担任が卒業式の日に涙を流してくれたのは、
そんな辛かった日々を経て、成長した生徒の姿を改めて目の当たりにして、
努力が報われたと心から思ってくれたからだと思います。
今では、先生になった友人たちが、生徒の卒業に立ち会っています。
やはり、涙をこらえられなかったり、感慨深かったり、
今までの苦労もどうでもよくなるくらい報われた気持ちになって、
また来年からも頑張ろう、と思えると言っていました。
そこまで強い達成感ややりがいを感じられる仕事って、
あまりないかもしれませんね。
素敵なお仕事です。
自分自身も勉強し続けられる
毎年同じ授業を繰り返ししている、と思っていませんか?
退屈な毎日の繰り返しだと思っていませんか?
そんなことはありません。
毎年同じ生徒が入学してくるわけではありません。
その年の生徒の傾向とか、成績の良し悪しに合わせて、
どこから教えるか、どこまで説明するか、
細かいところを調節しながら授業をしています。
毎年、毎日、勉強になることがたくさんあります。
新入社員が入社すると、「今年の新入社員は○○タイプ」と
テレビでも言われていたりしますよね?
このタイプって、毎年違うじゃないですか。
そのくらい、1歳の差でも、生徒の傾向は全然違うんです。
これを、先生は敏感に感じ取って、その年の生徒に合う授業を考えます。
「昨日あまり理解していなかったから、今日はここから始めたらいいかな」
そういう毎日の積み重ねが、全て先生にとっての勉強になるわけです。
他の職業の中には、毎日ルーティン作業を主に続けるものもありますが、
こうやって勉強し続けられることが好きな人には、大きなメリットになります。
それに、若者文化だって、勉強していかなければいけませんよね。
先生は生徒と雑談をすることもあります。
何気ない会話が、生徒との信頼を築くことにつながると思いませんか?
知らないことが多くて話が出来ないと、生徒も話す気にならないですし。
今の高校生たちには何が流行っていて、それに対してどう思っているのか、
これを把握していれば、よりスムーズに会話が出来ます。
先生が学生だった頃にはなかったものが、今の生徒の間で流行っていたりすると、
その流行について勉強しておかないと、話に置いていかれます。
最近の先生がたくさん勉強したであろう流行は、幅広くSNSだと思います。
今ではSNSが発端でトラブルが起きたりします。
そのSNSについて先生がよく分かっていないと、トラブルの内容を正確に把握できません。
今でもたくさんのSNSツールが世に出てきていて、
高校生はすぐになんでも取り入れます。
先生は、使いこなさなくても、知識だけは必要になります。
今高校教師を目指している人たちが教師になったとき、
きっと今では想像も出来ない何かが流行しているでしょう。
生徒のことを理解するには、いろんな角度の知識が必要で、
勉強することが尽きることはなさそうです。
これは、他の職業でも、
後輩社員が入社してきたときのコミュニケーションに必要なことかもしれません。
高校生の流行はきっと最先端ですから、
高校の先生は常に最先端の流行をおさえることが出来ますね。
こんな毎日を続けていくことで、
世の中の動きにもついていけるし、専門分野の教え方や考え方も広がる。
勉強することは自身の成長に直結します。
高校の先生は何も身につかない、という考えの人もいるようですが、
決してそんなことはありません。
生徒について考えることで、自分自身も成長出来る。
ふとした時に自分自身を振り返ってみると、
成長を実感できることがたくさんありそうですね。
高校教師にも悪い面もある。
学園ドラマを見ていても、先生って大変そうだなぁ、と感じることがよくあります。
実際、高校の先生として働いてみて、苦労しているところがたくさんあるようです。
仕事内容が多岐にわたる、専門だけじゃない
もちろん、授業は自分の専門に集中できます。
ですが、先生の仕事は、授業だけではありません。
生徒の成績をつけるのも、
学校行事を組み立てるのも、
進路指導をするのも、
担任としてそのクラスを受け持つことも、
部活動をみるのも、
修学旅行を組み立てることも、
先生の仕事です。
先生の仕事の大半が授業だと思いがちですが、
授業と同じくらいの、それ以外の仕事があります。
学校を運営するのに必要な仕事を、手分けして担当して、こなしています。
専門分野を生かしたい、生徒に分かりやすく教えたい、
その思いだけで先生になると、ギャップを感じるかもしれません。
意外と、授業以外の仕事に割く時間が多いんです。
確かに、進路指導の先生はいろんな教科の先生たちが当たっていたし、
「成績をつけるので今日はちょっと忙しいんだよね」というセリフを
聞いたことがあります。
卒業式の進行も体育の先生だったし、
内容は分からないけど職員会議も定期的に開かれていたみたいだし、
思い返せば、先生の仕事は授業だけじゃないことは明白なのですが、
先生を目指して勉強している時間は、意外と忘れていたりします。
先生になって一番ギャップを感じたことは
仕事量と仕事内容だ、と、口をそろえて言っていましたよ。
忙しい、忙しい。
上でも言いましたが、仕事内容が多岐にわたる分、
仕事量も多いのです。
特に部活動の顧問になると、土日の休みがなくなることもしょっちゅうでしょう。
でも、仕事内容が幅広くても、仕事量が多くても、
毎年同じであれば、徐々に慣れてくると思いますが、
学校の先生が忙しくなる理由は、この次の項目が関わっているようです。
願ってもないことが、何か起こる。
高校の先生も、毎日のルーティンの中で仕事をしていると思いきや、
思わぬことが起きてしまうんですね。
「生徒に何かあった」という感じ。
けが、けんか、トラブル、相談事など、中身も様々ですが、
いつ起こるか分からないものばかりです。
今日はこの仕事を全部終わらせよう!と思っていたのに、
担当部活の生徒がけがをして、病院に連れて行かないといけなくなって、
計画していた仕事に手を付けられなかったり。
今日は早めに帰って家族サービスを、と思っていたのに、
生徒同士が喧嘩をしたようで、事情を聴かないといけなくなってしまって
その件を先生内で共有するための文書を作らないといけなくなったり。
基本的に、配属の高校を自由に選ぶことはできません。
学校の雰囲気というか、校風というか、色々な要因で、
トラブルが起きやすい学校ももちろんあります。
そこに配属される可能性だって、大いにあるんです。
自分が高校生の時、割と穏やかな学校生活を送っていたなら、
トラブルが起きたときの感じというか、雰囲気と対応に圧倒されるかもしれません。
とはいえ、自分の担任を持っていた生徒に何かあったら、
自分が全て対応しないといけない、ということはありません。
トラブルが起きたときの先生の苦労は、他の先生もみんな分かっていますから、
協力して、乗り越えよう、という感じです。
そうは言っても、大変なものは大変。
生徒たちは素直じゃないし、嘘をついたりするし、
保護者からの心配やお叱りの電話を受けることだってあります。
トラブルが起きやすい学校が悪い、とかではなく、
「どこの高校にも、トラブルが起きる可能性はある」
ということを忘れてはいけない、ということです。
今日は何事もなく終わりますように、と毎日祈りながら、
先生方は仕事をこなしています。
高校教師を目指すにあたって、意識してほしいこと
いいことだけしかない仕事なんて、きっとこの世にはありません。
どんな仕事でも、いい面と悪い面を持ち合わせています。
高校教師という仕事も、それは同じ。
では、これから高校教師を目指している人たちが
今からでも意識していてほしいこと、2つご紹介します。
工夫していくことを忘れない
学校の先生は、毎回同じことをしていればいい、ということではありません。
毎年同じ生徒が入学してくるわけではありません。
その生徒に合う教え方や付き合い方を、探していく必要があるんです。
去年はこれでよかったのに、今年はなんかうまくいかない、
何が去年と違う?今年は何が合わない?
どうしたら、その年の生徒にとって分かりやすい授業になるか、
その生徒の成長に必要なものは何か。
失敗した、うまくいかなかった原因は何か、何が足りなかったのか。
常に工夫することが、生徒のために自分のためにもなる、ということ。
その工夫が生徒の成長に必ずつながるし、
「これが良かったのか!」という感覚は、自分自身の成長にもなります。
自分自身の向上心を忘れない
生徒の成長のため、という意識が強くなって、
サポートをする仕事、のようになりがちですが、
生徒を支えるために、自分自身が成長する、ということも必要です。
配属された学校によって、先生に必要とされる考え方が違うこともあります。
大学進学を目指す学校か、就職を考える高校か、で、
生徒が欲しい情報は全く違いますよね。
今まで考えたことがなかったことを必要とされたとき、
積極的に取り入れようとして、身につけて、実践していく。
先生の熱量は、生徒に必ず伝わります。
先生があまりやる気なさそう、ということも、生徒は感じ取ります。
先生が積極的に学んだことを、その熱量で生徒に伝えると、生徒はきっと応えてくれます。
先生の熱量はどこからくるかというと、先生自身の向上心だと思います。
先生の熱量、確かに生徒として感じ取った記憶があります。
ちょっと熱血なアドバイスのようですが、とても大切なことです。
どれもこれも「生徒のため」の仕事
仕事内容は幅広くて、仕事量もいっぱいで、大変だけど毎日遅くまで仕事をするのは、
「生徒のため」なんです。
接客業なら「お客様のため」であるところ、学校の先生は「生徒のため」です。
先生の仕事に関わる人はたくさんいますし、
保護者とも密なコミュニケーションを必要とされたりしますが、
それも、「生徒のため」です。
いいことも悪いことも、「生徒のため」に。
知り合いの先生も「大変だ」とは言っていましたが、
その大変さも吹き飛ぶくらいの「やりがい」があるようです。
その生徒の未来のためにしたことが、将来の社会のためにもなるんです。
自分の子どもが学校に通うようになったとき、
「教師」という仕事を理解しているかしていないかで、
親としての対応も違ってくる気がします。
大変さが分かっていれば、学校を無意味に悪く言ったりできないはず。
大変でも、先生として生徒に力を貸してくれる、
その熱量をありがたく受け取って、子どもたちの未来を考えていきたいですね。