未来

【知っておこう】ベーシックインカムって何?日本にいつ導入される?

早いもので、2020年もあと1ヶ月ちょっと。。。

こんにちは。ライターの石井です。

今年は本当にコロナ〉一色で、日々変わっていく状況や情報に合わせつつ、いつも以上にあっという間に過ぎてしまったと感じています。
皆さんの実感はどうでしょうか。

コロナは結局いまだに謎が多いので、どういったウイルスなのか解明されること、そして、ワクチンや治療薬の開発有効な治療法が早く確立されることを願うばかりです。



さて、一気に身近になったリモートワークのように、コロナが社会に与えた変化も少なくありません。
ベーシックインカムという言葉に触れる機会が増えたことも、そうした変化の1つです。

※ベーシックインカムとは、最低限の生活を送れるくらいのお金が政府から定期的に支給される制度です。

私がこのベーシックインカムという言葉を初めて知ったのは、確か5年くらい前にホリエモン(堀江貴文)さんが語っていたのを聞いた時だったと思います。

今年の3月にはイギリスのジョンソン首相が、ベーシックインカムの導入も「考慮すべき」という前向きな発言をして、ニュースになりました。
日本でも最近、元経済財政担当相の竹中平蔵さんがテレビ出演時、ベーシックインカムを導入し、毎月7万円の支給をしたらどうかと発言し、話題になりました。
(ただ、それによって「年金給付や生活保護がいらなくなる」とも発言したため、ベーシックインカムを導入して社会保障を廃止しようとしている!と、批判も集中したようですが…。)

というわけで、今回はベーシックインカムについて考えていきたいと思います!

ベーシックインカムとは


あらためて、ベーシックインカムとは何なのか、詳しく見ていきましょう。

ベーシック:基本的な
インカム:収入

その名の通り、【贅沢ができるような金額ではなく生活していくのに最低限の金額が、政府によってすべての人に・無条件で定期的に給付される制度】です。

コロナによる景気悪化の対策として最近は注目されていますが、私がテレビかネットの番組かで、ベーシックインカムという言葉を初めて聞いた時は、
「AIが働いて人間の仕事はなくなるので、AIが稼いだお金を人間に分配するため」という語られ方をしていました。
・・・まったくピンときませんでした(笑)。
映画か何かの世界のようで、現実味が感じられなかったのです。

しかしベーシックインカムには、そういった意義・思想がもともとあったそうです。
「仕事をして世の中を動かすのは一部の賢い人たち(と機械)に任せて、他の人は最低限のお金をもらって暮らす。その方がお互い幸せでは?」という思想です。

そして、機械やAIのほうが、感情で揺れてしまったり体力にも限界のある人間よりも、優秀な分野は確かにあるし、AIの進化によって今後ますます増えていくでしょう。
囲碁や将棋でのAI車の自動運転など、実感させられるものが増えてきていますね。)

では、ベーシックインカムに関する、世界での状況や反応をいくつか見てみましょう。
実はすでにテスト運用を行った国もあるのです!

・フィンランド2017年・2018年の2年間、失業者の中からランダムに選ばれた2000人に、毎月約7万円を支給。
雇用への影響は意外と小さかったものの、幸福度という面ではプラスの結果が出ました。

・スイス…2016年に、導入するかどうか国民投票が行われました。
結果は、財源の不安や労働意欲が下がってしまうことへの懸念といった理由で、反対派が圧倒的に多く、否決されました。

・ドイツ…ランダムに選ばれた120人に対して3年間にわたって毎月約15万円を支給、という実験が2020年に開始され、今まさに注目を集めています。

こうして見ると、ベーシックインカムとは夢物語ではなく、すでに実現に向けて手探りしているのだと、気づかされます。

ベーシックインカムのメリットとデメリット


さて、賛否両論、ベーシックインカムに対してはいろいろな意見があります。
よく指摘されるメリット・デメリットを、ここでご紹介します。

◆メリット
Ⅰ:最低限の生活が保障される
やはり一番大きなメリット、というよりベーシックインカムの目的とイコールなので、当然と言えば当然なのですが。。。
従来の社会保障などと違い、審査で落とされるという問題もないため、〈貧困で苦しむ人を減らせる〉という期待は大きいですね。

Ⅱ:少子化対策になる
日本や先進国で問題となっている、少子化
生活が安定することで、子供を持つという選択ができるようになる人も増えると期待されます。
そして、ベーシックインカムは
「世帯に対して」ではなく「個人単位で」支給されるものなので、子供が増えるとその人数分だけ支給されるという点も、ポジティブな影響があるように思われます。

Ⅲ:起業など、チャレンジがしやすくなる
現状ではリスクを考えてチャレンジができないという人も、最低限の生活が保障されることにより、起業をしたり、芸術方面の道を目指すなどのチャレンジがしやすくなると考えられます。

◆デメリット
Ⅰ:財源の不安
現実的にどうしてもこの問題には真っ先に直面します
実現できない理想で終わっては、
話になりません。
本当に行うならば実際に、年金や生活保護などの公的な税金による給付廃止は、現実的なのかもしれません。
両方もらえる、などという余裕が国にあるとは…思えないですよね。
また、結局は大幅な「増税」が必要となるとの指摘もあります。

Ⅱ:弱い立場の人々への救済が手薄にならないか
ベーシックインカムにはどうしても、「一定金額をすべての人に支給するので、あとは自己責任でやってください」という側面もあります。
本当に社会保障の削減がセットで行われた場合、さまざまな心身の事情で生活保護などの公的な手当てが必要な立場の人が、逆に今より救済できなくなってしまう可能性も含んでいるのです。
(そういった人たちにとっては現行の社会保障の方が質的にも手厚い、ということになりかねないということです。)

Ⅲ:人間が堕落するのではないか
最低限の生活ができるなら、人は働かなくなり堕落するのでは?という声もあります。
※ただし、一部の人とAI以外は働かなくていい、という考えからすると、これは本来の目的にも一致していて、「堕落」と言ってしまっていいのか、微妙なところでもあります…。
また、仕事をしないでいいというのは、本当に良いことでしかないのか?という疑問もあります。
アイデンティティーを失ってしまう人もいるはずです。
定年退職などでそうなってしまう人が今もいますが、もっと若くして同じ状態になる人が続出してしまうのではないか、という懸念です。

メリット・デメリットを見ていると、どれも深いテーマにつながっていて、なかなか難しいですね。。。

最後に


いかがでしたでしょうか。

ベーシックインカムは、日本で導入される可能性は低いのでは?という疑問もあり、また、導入されるとしても、だいぶ先の話のようです

たとえば7、8万円の給付を行うとしても、現在の日本の状況では難しいそうで、デメリット「財源の不安」の箇所でも書いた通り、実現には思い切った増税などが必要となりそうです。
(実際、ベーシックインカムの導入実験をしたフィンランドも、税率は日本よりはるかに高いのです!)
そう考えるとハードルは高く、日本でいつ導入されるか、なかなか読めないのが実情です。20年、30年ほどはかかるのではないか、という意見もあり、少なくとも1年後とか、数年以内に実現しそうな
見通しでないのは確かです。

しかし、いくら不確定であったり先の話だとしても、たとえば子供のいる方は、他人事とは思えないのではないでしょうか。

そうでなくても、コロナで社会の変化は早まりました
予想外のことが、時には本当に起こるのだということを実感した方も少なくないのではないでしょうか。
今後も何があるか分かりません。
ベーシックインカムの導入が早まるキッカケとなる出来事が起こる可能性も、ないとは言い切れません。

しかしそれだけでなく、ベーシックインカムについて考えてみることは、
・そもそも人間にとって〈働く〉とは?
・お金とは?豊かさとは?
さらに、
・これから社会はどうなるのか、どうしていくべきか?
・その社会の中でどんな生き方をしたいのか?
一度じっくり自分にそう問いかけてみる、いい機会でもあると思うのです。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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